第3回左官セミナー

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第3回 左官セミナー

本記事は「建材フォーラム(No.415 2011年3月号)」から転載させていただきました。



東京都左官組合連合会(守屋清会長)は2011年2月18日、東京・新宿区の東京都左官工業協同組合会議室において、「第3回左官セミナー」を開催した。

この催しは、左官工法やその魅力を知ってもらうことを目的に、主に建築士を対象に行われているもので、昨年6月に続いて3回目となる。講師を務めたのは、前回に引き続き本誌連載「左官往来 現代左官事情」でお馴染みの鈴水光氏(鈴水建塗工業㈱社長、ものつくり大学特別客員教授)。冒頭、同会の副会長を務める石川悦氏が、「公共工事の削減や景気の低迷などで建設業界は巌しい状態にある。とりわけ、乾式工法が台頭し、湿式工法が陰に迫いやられる中で、左官業界は窮地に立だされている。本日は、湿式工法の良さをさらに深くご理解いただき、設計図書等に反映させていただければ嬉しい」と挨拶した。

続いて、鈴木光氏による講演が行われた。テーマは、「いまさら聞けない左官の基本~珪藻土と漆喰の今昔~」。
まず、日本壁の特徴や欧米の壁との違いについて触れた後、左官材料の基本としてセメント系・石灰(漆喰)系・土(粘土)系・石こう系・合成樹脂を例に取り、硬化機構の違いから各材料の特徴を説明した。
次いで、木造外壁モルタルの通気工法、RC構造におけるタイル下地の注意点、内装仕上げでは正しい石こうボードの張り方、また土壁の耐震性等について、写真で事例を紹介しながら解説した。さらに、鏝の持ち方や鏝返しなど、自ら鏝を手に取り、その扱い方にも簡単に触れた。
質疑応答の後、左官工法の歴史として、江戸期の土蔵建築から明治期の擬洋風、戦前の看板建築など、写真で物件を紹介しながら、左官建策の変遷を辿った。

結びにあたり、同会の市場開拓委員会委員長を務める藤井正彦氏が「組合では、エンドユーザーの方々に向けて塗り壁体験や泥団子づくり等、左官のPR活動に努めている。左官に興味を持たれた方が「土璧や漆喰をやりたい」と希望されたときに、設計の皆様にはぜひ受け入れてほしい。我々は健康に良く、防火にも優れた左官仕上げに自信を持っているが、最近はクロスやタイルの下地仕事しかない状態。左官の技術伝承を行うためにも、塗り仕上げが表面に出てくる設計をぜひ皆様にお願いしたい」と述べ、講演を締めくくった。
当日は、設計士や業界関係昔、学生など多数の聴講者が訪れ、質問も多数飛び交うなど、会場は活況を呈した。




■貴重なセミナー資料(PDFファイル)を頂戴いたしました。 以下をクリックしてぜひご覧下さい。
現代左官事情:「いまさら聞けない左官の基本」珪藻土と漆喰の今昔

■「建材フォーラム」ホームページ
http://www.fujisan.co.jp/Product/1281683694

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