関氏連載1

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伊豆長八からの手紙(第1回)   第24回 長八まつり開催

伊豆長八作品保存会  関 賢助


晴天に恵まれた10月23日、第24回、長八祭りが、伊豆長八美術館周辺で開催された。
午前9時20分、長八の菩提寺である浄感寺で、長八墓前供養祭が、深沢松崎町町長、肥後日左連会長、檀信徒代表などの関係者が出席し開催された。
ところが、会場には工事用の足場が組まれている。これは建築後、百六十年を経た本堂は、老朽化が進行し、懸念されていた、雨漏りが酷くなり、内陣の天井に絵が描かれる、長八作品「八方睨みの龍」の図が危うくなり、追うように台風は妻壁を破損し、修復に猶予は無くなり、急遽、屋根瓦の葺き替え、壁修復の必要から架けたものである。今、高額になるであろう工事費が懸念されている。
午後からは伊豆長八美術館横の鏝塚の前で松崎町、日左連関係者、神奈川県左官業組合などの関係者が出席し、鏝の供養祭が開催され、神奈川県内の職人が使用した、鏝60丁が奉納された。参加者が玉ぐしを捧げた後、神奈川県連合会から鏝塚の前に、寄贈された「しだれ桜」の植樹式が行われた。

【写真】関賢介_0011.jpg 【写真】関賢介_鏝絵・鈴木真由美0006.jpg
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長八祭りのイベントは駐車場の周辺で開催されたが、「第3回松崎町左技士(サギシ)選手権大会」の名称で始まったのが、光る泥ダンゴ作りである。年齢、性別、関係無し、とあって小学生から大人まで、中には「オレがやっても良いかね初体験なんだよ」と、会場を訪れた左官職人等など、総勢34名の参加者は、1時間半の制限時間内で、予め準備して在った泥ダンゴを削り、球にする工程から、競技は開始された。次は砂漆喰で中塗り、少々の手の汚れもお構いなし、仕上げの工程に入ると、無駄愚痴、ザワメキも消えて真剣勝負となった。競技の結果発表をみると、晴れの伊豆長八賞(1位)は熱海市の国府田真由さんが選出され、下田市の木村麻里さんが優秀賞、山梨県の左官職人藤本忠志さんも、優秀賞となって面目を保つことができた。

松崎町の長八祭りとタイアップして、第42回全国左官技能大会が9月21日より3日間の工程で開催された。
3年振り、松崎町では今回で4回目となる。石膏の置引き、土壁仕上げと共に、松崎町の町章や、馬乗り目地張りの海鼠壁等の課題があったが、中国ブロック代表の広島県、谷口光広さんが優勝した。

第8回を迎えた全国漆喰鏝絵コンクールは、47点の応募があった。9月6日審査会が行われ、最優秀賞には、東京都板橋区鈴木真由美さんの作品「飜波式衣文(ほんばしきえもん)」が選ばれました。
平安時代の木造仏像の衣の襞から感じたことをイメージしたものだそうだが、今までに無い鏝絵の表現として、高く評価された。長八祭りの会場で表彰されたが、その前日に東京の「榎本新吉」さんから電話があった。「今年の一番は、ウチの娘だよ」。これには驚きましたが、伺ってみると、お弟子さんとの事。
何か新しい波が、鏝絵世界に現れた様な、清々しい気持ちを漂わせるものを感じる。
優秀賞には岐阜県郡上市の野田正三さんの、作品「先輩よろしく」と、地元松崎町の藤池菊雄さんの作品「尾長鳥」が選出された。10月31日まで「伊豆の長八美術館」の特別展示室において、公開されている。

伊豆長八からの手紙2.jpg
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