左官を考える会_左官通信3号

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左官通信 第3号(2010年3月1日)

発行所:兵庫県淡路市志筑1462-6   左官を考える会

第8回鏝鍛冶と左官の交流会を開催して

鏝鍛冶と左官の交流会もあしかけ5年目を迎え、第8回目を開催できました。また、三木の鏝鍛冶さんとの交流が始まって、7年目を迎えました。
「鏝の肩は、張っていた方が良いのか?それとも肩がなるい方が良いのか?と聴かれた事から始まりました。「鏝鍛冶は左官にとってどんな鏝が良くて、どんな仕上げにどの鏝を使うのか?さえ知らないで、鏝作りをしていました」鏝鍛冶の先輩や親方から教えてもらった形状、材質、焼入れ等で作っていたそうです。また、金物問屋さんからの注文に応じて作っていたそうです,
左官も仕上げによって、鏝の材質を替え、鏝の硬度を替える。鉄板や鋼板を貼った鏝と鍛冶で作った鏝の違いはどこにあり、どこに良さと欠点があるのか?を鏝鍛冶さんと左官が交流を深め、お互いが良い製品を作っていこうと始まったものです。左官仕上げが高度な仕上げを追求すれば、鏝もまた、鍛冶物の高度のものが要求されて当然だと思います。お互いが磨かれて良いものができるのだと考えています。
今回、三木の鏝鍛冶さんと金物工業組合との話がすれ違い、鏝鍛冶さんの販売数が減り展示だけという形になり、左官の皆さんには大変ご不自由をおかけしました。アンケートにも鏝の販売が少なすぎるとご指摘されておりました。今後は左官技研と鏝鍛冶さん、金物工業組合とが話をもって、前向きに建設的意見を出しあって良い方向に導きたいと考えております,
北は東北地方から南は九州、鹿児島まで全国から150名というたくさんの左官、工務店、設計士、建築関係者が集まってくださいました。紙面をおかりして御礼申し上げます。何分、会場にも制限があり室内、屋内、ガレージ下と3会場で実技をしてもらう事となり、条件も違ったと思います。材料不足もあったかもしれません。
今回は、土曜の夜に2時間ほど一室で交流会をして、漆喰磨きはどうしたらうまく磨けるのか?鏝の使い方、鏝の質、磨きのタイミング、材料の吟味などが話し合われました。参加者の中には、左官1年生もいれば熟練技能者もおられ、少しハイレベルな話し合いになり過ぎた点も今後の課題かもしれません。
本来、左官工事、左官仕上げは“タイミング”いわゆる“ひき具合”です。どのタイミングでどの鏝を使って仕上げるのか?何回鏝をかけて磨くのか?ではないでしょうか?それには、何度となく自分でタイミングを見極める事しかないのかもしれません。うまく磨けた時のタイミング!失敗したタイミング!を検証すべきなのかもしれません。露抜きをどのくらいの時間すれば良いのかも必要ですし、また、磨いた壁が風雨によってどう変化するのかも確かめる必要かあると思います。ゆえに、屋外や軒下に磨いたパネルを出しておくのも一つの手だと思います。
(投稿/会員・藤田勝行)


第2回土壁の家・講習会(報告)

一月三十一日、勇建工業展示場にて、土壁の家講習会・弟2回貫撫せ・荒直し・中塗りの講習会が開催されました。
今回は、前回荒壁を塗っていただいた壁の工程と、次回開催のとき使用する灰土の調合をしました。
講師陣は、勇建工業の加村・澤田・近藤、左官を考える会から、植田さん・松木さん・山本さん、東京から小沼さん、ゲストとして平成会の山口さん・木村さんが集まってくれました。
午前は貫撫せの材料の調合をした後、実際に作業をしていただきました。作業をしながら、松木さん、植田さん、山本さんが指導してくれましたが、業界のトップに方に指導していただくことと、この現場の施主が左官を考える会の加村ということで、いつにない緊張感があったようです。
参加者の安田さんは、「実際の壁を塗らせていただきながら、業界のトップの方々に指導していただくことは大変うれしいことで、充実した一日でした。指導してくださる講師陣が後ろを通ると、オーラを感じ、すごく緊張した。」と、感想を語ってくれました。
午後には灰土を練りながら、講師陣の灰土や引き土についての考えを発表していただき、最後には、切り返しを塗って仕上げの練習をしていただきました。
参加者は、皆さん気持ちが高くなっているように思います。前回販売した鏝板用の杉板を使って鏝板を作ってこられたり、道具を運ぶおかもちを作ってきた人もいます。帰りには、勇建にある材料を購入して練習をされる方々も多くおられました。
懇親会には三十人の参加があり、楽しく左官について語り合いました。
次回の講習会は中塗りの仕上げと、漆喰の仕上げです。釜で角叉を煮て漆喰を練り塗っていただくことと、土佐漆喰についてアマがけ鏝什上げをしていただきたいと思っています。
最終の4回は大津磨きです。今回作った灰土を基に引き土をかけて、二四○○×七九〇の壁を仕上げていただきます。
(投稿/会員・加村義信)


第3回土壁の家・講習会

日程:お問い合わせ下さい
場所:勇建工業展示場(名古屋市)
内容:中塗りの仕上げ、漆喰の仕上げ など
問い合わせ先:勇建工業 名古屋市名東区梅森坂1-222
TEL 052-703-4345 FAX 052-701-7340
http://tutikabe.com


漆喰黒磨き調合 篠山講習会

<砂漆喰>(4㎡分4回塗り)
水600cc、大杉土(30#) 1kg、石灰(30#) 1kg、珪砂6号 500g、冨士すさ(ナタ切り)30g、
城かべ用つのまた100~120g、又は むしろふのり(30#) 3~3.5リットル
(水4リットル、むしろふのり200gを40~45分煮て三厘で篩う)
<中漆喰>(5~6㎡分2回塗り)
水2リットル、大杉土(30#) 2kg、石灰(30#) 2kg、冨士すさ(ナタ切り)80g、城かべ用つのまた60~70g(壁の大きさ、季節による)、又は むしろふのり(30#) 1~1.2リットル
<紙すさ黒漆喰>(0.2㎡分1回塗り)
水30cc、大杉土(30#) 1kg、石灰(60#) 20g、油煙 4g、水30cc、油煙 4g、むしろふのり(木綿) 20~30cc
(水2リットル、むしろふのり100gを前もって半日水浸ししておく、10~15分強火、30~40分弱火、3厘篩う、30#篩う、木綿濾す、出来上がり1.2リットル)
<黒ノロ>(0.4㎡分1回塗り)
水30cc、大杉土(30#) 1kg、石灰(60#) 20g、油煙4g、水30cc、油煙4g、 むしろふのり(木綿) 20~30リットル


小グループ講習会開きませんか?

全国どこでも講師が出張して講習会のお手伝いをします。
条件:会員限定、5名以上のグループ
内容:どんなことを講習してほしいのかお知らせください。詳しい熟練講師が出張します。
その他:講師料、その他詳しいことはお気軽にお尋ねください。
問い合わせ先:左官を考える会 
TEL 0799-62-3184  e-mail  think_sakan@yahoo.co.jp


ちょっとコラム その一

江戸時代は職人が活躍した時代でした。
この時代の絵本に当時の様子が描かれていますので紹介します。

「江戸時代の左官屋」
江戸時代の土蔵、塗り籠めの普及は、左官の技術をいっそう進歩させました。普通の壁塗りは、こまい、荒壁、うら返し、大直し、中塗り、上塗りの順です。土蔵の場合は、こまいの竹は丸竹で、それに棕櫚繩を巻きます。中塗りの後に棕櫚を縦横に塗り込める「割防ぎ」をします。白壁塗りは石灰の上塗りを4回重ねて塗ります,蔵などで黒く塗ってある江戸黒という塗り方は、光沢を出すために最後の仕上げは手のひらで塗るといわれます。灰炭を混ぜた石灰に酒と酢を加え、一年開寝かせてから塗ったものだそうです。この絵は土蔵の修理のようです。柄のついた「さいとり」で下から渡した土を、上の者が「こて板で受け取っています。現在のこて板は、板の下に握り手がついていますが、当時はこの絵のような形になっています。
三谷一馬「江戸商売図絵」中央公論社1995年(原文そのまま)
左官浮世絵.jpg


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〒656-2131 兵庫県淡路市志筑1462-6 総合建築植田 内
TEL 0799-62-3184 e-mai1: think_sakan@yahoo.co.jp


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